こんにちは、GARAGE HYの井柳です。
農機・チェーンソー・バイク・軽トラなど…今でもキャブレター式の機械を使っているお客様から、
「夏は調子いいのに冬はエンジンかからない」
「冬になると急に吹けなくなる」
という相談が、毎年必ず入ってきます。
実はこれ、
キャブレター式エンジンの“宿命”と言っていいほどの典型的な症状なんです。
今回はその原因と予防、そしてGARAGE HYがどんな整備をしているかを、MECE(漏れなく・ダブりなく)で分かりやすくまとめました。
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**① そもそもキャブレターって何?
→ 空気とガソリンを混ぜて、「燃える霧」を作る装置です。**
キャブレター(通称:キャブ)は、
•空気の流れ(吸い込み)
•ガソリンの供給量(ジェット)
この2つのバランスを調整し、エンジンが燃やす“混合気”を作る機械。
FI(インジェクション)はコンピュータが自動調整しますが、キャブはアナログ調整。
これが魅力でもあり、扱いが難しい理由でもあります。
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**② キャブには整備が必要?
→ 必要です。内部のパーツは“消耗品”です。**
キャブレターの代表的な消耗品・整備ポイントは以下の通り👇
● フロートチャンバー(底のガソリン溜まり)
ここにサビ・汚れ・ゴミが溜まり、ガソリンが腐るとジェットが詰まる。
● パイロットジェット(アイドリングを作る穴)
一番詰まりやすい。冬にかからない原因の7割がここ。
● メインジェット(吹け上がりを作る穴)
回転が上がらない、力が出ない、負荷でストール…などの症状に直結。
● フロートバルブ
摩耗してくるとガソリンが止まらず、
ガソリン漏れ・オーバーフロー→最悪発火の危険。
● ガスケット(パッキン類)
長年の使用で硬化して密閉できなくなる。
● 吸気系のゴム類(負圧ホース・インマニ)
亀裂すると空気を吸いすぎてガスが薄くなる=かからない・吹けない。
キャブは「消耗品の塊」。
整備すると驚くほど調子を取り戻します。
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**③ 自分でも整備できる?
→ 可能だけど“ミスすると逆に壊れます”。**
YouTubeを見て挑戦する人も増えていますが、
プロとして言うと以下の点でつまずく方が多いです。
•ジェットの穴をつまようじで広げてしまう
•ガスケットを再利用して二次エア発生
•フロート高さを誤って燃料不足/過多になる
•スクリュー戻し回転数が狂う
•組み戻したらアイドリング合わない
•キャブ内をエアで吹きすぎて乳化チューブ破損
•ホース劣化に気付かない
「できそうでできない」部分がキャブ整備の難しさ。
分解洗浄はできても“正しい状態”には戻せません。
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**④ 夏と冬でセッティングが違う!?
→ 空気密度が変わるからです。**
ここが一番大事なポイント。
**● 夏は空気が薄い(密度が低い)
→ ガソリンが濃く感じる**
気温が高いと空気中の酸素量が減るため、
•かぶり気味
•アイドリング不調
•低速でボコつく
•高回転で伸びない
という症状が出やすい。
**● 冬は空気が濃い(密度が高い)
→ ガソリンが薄く感じる**
その結果、
•冬はエンジンがかからない
•始動後すぐ止まる
•アイドリングが安定しない
•アクセルを急に開けるとストール
という症状が発生。
つまりキャブは、
“温度によって混合比がズレる”というアナログ構造のため、
夏と冬で状態が変わるのは当たり前の現象です。
これを補正するのが…
•パイロットスクリュー調整
•メインジェット番手変更
•チョーク利用
•空気吸い込み量調整(機種による)
という「季節セッティング」。
バイク業界でも農機業界でも、
キャブの世界では常識レベルです。
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**⑤ えっ、燃料って腐るんです。
→ 放置ガソリンはキャブ詰まりの“最強の敵”。**
ガソリンは
•1ヶ月で劣化開始
•3〜6ヶ月で腐敗が進行
•1年で完全に変質してニス化
します。
これがキャブ内部で固まり、
•ジェット完全詰まり
•フロート固着
•ガソリン漏れ
•始動不能
•失火・吹けない
•白煙・黒煙
を引き起こします。
農機・チェンソー・除雪機など、
「シーズン物」は特に多いトラブルです。
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● キャブが不調になる3大原因(MECE)
1.混合比(空気とガソリンのバランス)がズレる
→ 季節の温度変化・気圧で変動する
2.燃料劣化
→ 腐ったガソリンがジェットを詰まらせる
3.経年劣化部品の摩耗
→ ゴム・パッキン・バルブ類の限界
この3つを抑えれば、
キャブは“本来のトルクと始動性”を取り戻します。
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**最後に:キャブの不調は“直せます”。
GARAGE HYにお任せください。**
僕が現場で毎日触っている機械は、
農機・チェンソー・刈払機・軽トラ・古い車…と幅広いです。
そのほとんどが、
キャブ調整と分解洗浄で息を吹き返します。
•始動性が悪い
•パワーが落ちた
•アイドリング不調
•アクセル不安定
•しばらく使ってなかった
•ガソリンが古い
•冬だけ不調になる
•夏だけ吹けない
こういう症状は、
キャブの中を見ればほぼ原因がわかります。
農機・車・バイク・チェンソー、
キャブ式なら基本すべて対応します。
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「あれ?おかしいな?」と思ったら、まずご相談ください。
症状を聞けば、おおよその原因と修理内容・費用の目安もすぐにお伝えできます。
GRAGE HYは、
“壊れる前に予防する整備” を徹底して、
お客様の大切な機械を長く使えるようサポートします。